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自分の身体に対する理解:正しく立つ(1)背骨

武術において正しく立てればそれだけで根本は解決と言えるでしょう。

地球上に生きていて正しく立つことは、重力、地球がすべてのものを中心に引っ張っている力に沿って立つことです。まっすぐな棒状の身体であるならば鉛直になっていればよいでしょうが、少しの外乱でも倒れてしまいます。まして棒の先端には体重の約10%の頭が載っている。もちろん人間の身体は剛でなく柔かい構造で外乱に対して柔軟に対応しています。それにしても背骨の形状がなぜS字状になっているかを考えるだけでも人間の身体の構造は素晴らしい最適設計がされていることがわかります。

長時間スマホやPCの操作する現代人は下向きに視線を向けることが多く、頭を前に倒しています。猫背になることが必然になります。できるだけ正面を向くようにデスク等を調節すべきだとは思います。少なくとも歩くときは正面を向き頭を垂直に保持します。相手をとらえる武術の場でも頭の向きは重要です。

背骨が頭あるいは体重をどのように支えているかを知るために背骨の簡単な説明をします。頭を支えて頸椎、胸椎、腰椎その先に仙骨、尾骨という24個のブロックが椎間板で挟まれて積まれています。下に行くほど直径は大きくなりますが、約5㎝です。赤ちゃんがお母さんのお腹にいるときは一様に後ろに湾曲していますが、ハイハイを始めると首を上げることで頸椎が前弯し、立ち始めるとを腰椎が前弯してS字状になります。

多くの人は背骨の位置が背中側にあると思っています。つまり体重を背中の筋肉で支えているイメージを持っています。このイメージは猫背になりやすくします。

実際は背骨は身体の厚みの中心に近い位置を通っています。特に腰椎の前弯は大きく腹部の厚みの中心に張り出しています。腰椎は背中側をある程度まっすぐに通っているとイメージしがちですが、頸椎の前弯の真下に腰椎の前弯が張り出しているのが正しいイメージです。この背骨の位置を正しく認識だけで誤ったイメージのために無理に使っていた背中側の筋肉がリラックスしてきます。背中の痛みなども半減すると思います。

立っているときだけでなく、座っているときも同じ背骨のイメージを持つべきです。現代人にとって特に重要です。

このように自分の身体に対するイメージを正しいものに近づけていくことを「ボディ・マッピング」と言います。姿勢を正くしましょうと身体を動かして調節するのとは違います。これでは意識が外れた時に元の悪い姿勢に戻ってしまうからです。身体構造に対す正しい認識、イメージを持つということです。

参考文献:「ボディ・マッピング」、バーバラ・コナブル、エイミー・ライカ―、小野ひとみ、春秋社

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