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エネルギー場を利用する

まず統一体について復習しましょう。全重量を下丹田に集中させます。この身体、統一体になると相手の攻撃をものともせずに相手の存在を意識しないで全重量がただ前進していくだけです。あたかも重戦車になって相手の機関銃の攻撃を踏みつぶしていく感じです。もちふみつぶすと言っても相手を攻撃していく意識はなく統一体を感じながらただひたすら前進していくだけです。相手はそのまま崩れてしまいます。

真義館の基本稽古の特質は隠し突きを含めていることだと言いました。例えば左腕受けをするとき、右の突きがまず相手の中心を制してから腕受けが行われます。右の突きが入り込みになっているのです。

この両腕の動きをエネルギーの観点から見るとき、この隠し突きは別な意味合いも含むことがわかります。右腕と左腕を使う腕受けは身体の前面で交差する動きであるために、エネルギーを身体に集中させ強固なものにする働きがあります。統一体として集中されたエネルギーはさらに腕受けの交差運動で増強され統一体は強化されます。

基本稽古のすべての動きを両腕の交差運動として意識して行うとき、より強い統一体が生み出されます。

相手から見るとき、両腕の動きはほとんど認識されずに、下丹田のみのエネルギーの塊が迫って来るのを感じるだけとなります。反応が出来なくなります。

繰り返しになりますが、統一体は攻撃の意図は全く含みません。攻撃の意思があると、筋力の世界となり覚醒して崩れません。

両腕の動きはエネルギーを生みますが、エネルギーの空間内を手足が動いてエネルギーの浸りながら動く意識が手足の威力を倍増します。

左腕受けの分解組手で、腕受けをしたのち右手で相手の肩口に触れて相手を崩します。どうしても右手で押す動きが出てしまい相手は崩れるかわりに後ろに下がってしまうことがよくあります。

右腕を肉体の部品として使うのではなく、統一体を強化した腕受けのエネルギー場に浸った右腕の感覚を残して相手の肩口に触れるのが解決策です。いわば肉体ではなくエネルギーの部品として相手に触れていきます。

この時身体全体がエネルギーの場の中で一貫して動いていき途中で意識が途切れることがないので相手は簡単に崩れます。

せっかく腕受けは出来て入り込めたのに肩に触れた右手が筋力の手では抵抗されてしまいますが、入り込みのエネルギーを作った身体で一貫して触れるので全く抵抗されずに崩すことになります。

調和の気持ちがきちんとできていれば崩すことができますが、気持ちの持ちようはちょっとした外乱で乱れてしまうことがあります。例えば相手が強い突きをしてきたときとか刃物などの武器で攻撃してきたときとか調和の気持ちが緊張で消えてしまうことが往往にしてあります。

エネルギーの場で中を首尾一貫動いている感覚は外乱に強いとも言えます。

このエネルギー場を利用することは武術では多くあります。エネルギーを掴んで相手に当てるとか、相手の攻撃のエネルギー場を二つに割って入り込むとか、大きな効果が出てきます。途中で動きのフェーズが変化してしまい技がかからないときにはエネルギー場を利用することが大変有効です。

エネルギーとか抽象的な説明になっていて理解も難しく体感できないかもしれません。

理屈的にはいえば、エネルギーの場を意識して身体を動いているとき、統一体として全部分が丹田と一体化して動き、時間的にも途切れることがなく一貫して滑らかに動き続けることになります。

身体の動かし方に気を取られたり、相手を攻撃するつもりになると左脳が働き、無意識に筋力が活性化して、相手を崩せる状態ではなくなります。

これを丹田の一点やエネルギーの存在に意識を集中させて右脳を活性化させておくのです。

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道場案内

真義館 総本部直轄 東京道場は、武術・活人空手専門の道場です。
詳しくは大坪英臣道場長著『心を使う 右脳の空手』(風雲舎)』

クラス 一般男女
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