筋力は抜いているけれど、揺るぎのない締まった身体について述べてきました。
それでもなかなか体現できない人もいます。
昨日のオンライン稽古でも、締まった身体の稽古をしました。
稽古が終了した時に、弐段に昇段した婦人から、習得に多少苦労している他流派の黒帯を持つ男性に対してアドバイスがありました。非常にタイミングの良い適切なアドバイスであったのでここで紹介させていただきます。
「赤ちゃんを抱くときを想像してください。最大限のやさしさで抱きかかえるでしょう？
力を入れていますか？ 入れていませんね。でも、決して赤ちゃんを落とさないようにしっかり抱いていますね。
もし、誰かがあなたの腕に力を加えて、赤ちゃんを抱いている両腕を広げようとしたり、傾けようします。あなたの腕はみじんも動かないと思います。これが締まった身体です。赤ちゃんを守るために気が通っているのです。」
これこそ、求めている締まった身体です。
素晴らしい表現で、アドバイスは男性の心にしみこんだようでした。
実は、このアドバイスは何年も前に私がご婦人に与えたものだったようです。ノートに書き留められていたとのことです。
我ながら、上手な教え方をしていたのだなと思いました。