考えていること、意思をお互いに感じ合うように人は出来ています。また、それを感じると身体がそれに対して無意識に反応します。
自分の身を守る習性のために特に攻撃する意図には敏感に反応します。全身が緊張します。身体を防御するため緊張するのです。
相手の敵意に対して身体が本能的に反応するのにまかせるのではなく、逆に相手の敵意を中和し消してしまうのが武術を言えると思います。非常に難しいことをしようとしているがわかると思います。
相手の敵意、ここでは攻撃の意図、をどうしたら消せるのでしょうか?本能的な応答は、衝突を生み、互いの衝突の連鎖になり、消すどころか互いの攻撃の意図を増長させるのみです。経験上よくご存じの通りです。
マジックに種があるように、仕掛けが要ります。この仕掛けを「入り込み」と呼びます。これで相手の攻撃の意図を消します。
このブログは「入り込み」について述べていきます。繰り返しの言葉が出てくると思いますが、理解していただきたい思いからですのでお許しください。
攻撃のパターンは無数にありますので、その対応を技として羅列するつもりはありません。この場合はこのように動く、別な場合はこのようにするとするのは、分析的であり、知識的です。
無意識的に内面を動かすことで「入り込む」ことを目指している右脳の空手とはずれると思っています。
それでも説明のために必要最小限の場合分けはさせてもらいます。
「入り込み」には大きく分けて相手に接触をして行う方法と非接触で行う方法があります。
合気道、大道流柔術などは基本的には相手に触れてあるいは触れられて術が始まると言えます。
このブログでも、相手を動かしたり、崩したりする方法として優しい手として紹介いたしました。実は接触して相手に入り込んでいるのです。
空手の攻撃は突きや蹴りですので、攻撃がされる前の非接触の敵意を消す必要があります。非接触の「入り込み」です。この「入り込み」には型の稽古が重要となります。
接触の場合も非接触の場合も本質的には同じですが、分けた方が考えやすいと思います。