「入り込み」の審査で印象に強く残ったことを書きたいと思います。
日本有数の大会社の副社長をしている人の弐段昇段審査です。
新型コロナのためになかなか道場に来ることができなくなっていますが、彼は特に大きなプロジェクトを抱えて最近仕事が大変忙しく、道場にも来ることが出来ずにいました。同じく弐段審査を受ける奥様とオンラインでの稽古に参加するのみでした。
ただ、二人の間での話し合いで、年齢もあり将来だんだん衰えていく身体を考えて、今年は弐段審査を受けることを大きな目標として努力する決心されていました。
触れて覚える活人空手で対面稽古をしていない彼の入り込み審査は私も正直どうなるか多少の不安もありました。
ふたを開けたらその不安を吹き飛びました。
前後から襲ってくる黒帯を右手の隠し突きを上手に使いながら入り込み、相手の背中側に倒します。背後からの攻撃に対してブロックする位置に前からの攻撃者を倒していました。
特に感心したことは、最後まで力みがなく相手との衝突がなく崩し続けたことです。
対応の技が単調であるとの声もありますが、それは重要なことではありません。厳しく攻撃を受ける状況の中、常に心の安定を保ち、崩し続けたことは称賛に値します。
もし、相手を何とか倒してやろうという気持ちが入れば、衝突が生じて崩すことが中断されたと思います。
改めて日常の生き方が覚悟の人であることを反映していることを感じました。
ほかにも印象に残った「入り込み」審査ですが、ここでは触れずに次の機会を待ちたいと思います。
型も含めた総合的な審査の結果、4名の弐段、1名の初段全員の合格が決定しました。
審査が終了後に館長は次のように述べられた。
「昇級昇段された皆様おめでとうございます。
真義館の活人空手は精神を安定させ集中力、体力を向上させる素晴らしい武道です。
混沌とした世の中で自分自身を見失わない、世の中にコントロールされないためにも活人空手は最適です。
稽古時間は自己を見つめ自分自身を取り戻す貴重な時間となります。
自分を愛し、溢れる愛ですべてを幸せにしましょう。
皆様の幸せを祈っています。
また一緒に稽古しましょう。
麻山慎吾 真義館館長」