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重い身体で相手を制する 

攻撃してくる相手を触れて崩せる要件の一つとして、「重い身体」になっていることがあります。合気道の藤平光一師をはじめ多くの師は身体を数人の人に持ち上げられて、持ち上げられた状態で身体を重くして支えている人を一斉に潰すことをされています。もちろん質量保存則は成立するので、体重は変化しませんが、なぜか突然重く感じられる体重に耐えきれなくなって支えきれなくなるのです。

道場でも時々次のような稽古をしてもらいます。立っている状態で腰のあたりに両腕を抱えてもらい持ち上げてもらいます。注意点は身体をまっすくに保ってあげてもらうことで、相手の身体を後ろにそらすように自分のお腹の上に載せてあげるのは禁止です。何も意識しないで立った状態では、相手は比較的軽く感じて足は床から20~30cmほど上にあげられてしまいます。次にこちらの意識を変化させて「重くする」と持ち上げることは全く不可能になり、足が床から離れることがありません。身体に力を入れて踏ん張っても「重くする」ことは出来ません。

もちろん体重は変化しませんから、自らの身体を物理的に「重くする」ことは出来ません。持ち上げようとする相手の心身に影響を与えて力が入らない状態にしているしているわけです。保持できない状態になり、相手の体重が大幅に増したように感じるわけです。「重くする」とは何らかの方法で相手の感覚をコントロールする方法です。その意味では、相手の攻撃を受けて軽く触れて崩すことと同じ現象です。

軽い状態とは身体の各部がバラバラの状態と言えます。身体が持ち手の態勢に応じて変形して保持しやすくなります。重い状態は心身が一点に集中しています。抱えている部分と異なる一点を意識をして全体重を集中させると抱えることが難しくなります。全体重を集中させるためにはリラックスしていることが重要です。「重くしよう」として身体に力を入れると意識は分散しかえって軽い状態となります。相手に持ち上げられると思っただけで、緊張して抱えられる部分い意識が行き軽い状態になります。相手の動きに反応しない意識の在り方が重要です。これはほかの技と同じです。

意識の持ち方はいろいろありますが、ここでは「ボディ・マッピング」の方法は役に立つことを示します。背骨の下部の腰椎は大きく前弯していることをお伝えしました。おへその少し下、いわゆる下丹田と言われる辺りで腰椎がお腹の厚さ中央まで前弯して、下部は仙骨に向かってヘアピンカーブのように急激に後ろに曲がっていきます。

全身脱力しますが、腰椎の下部はこのカーブをはっきりとイメージしましょう。このカーブに跨るようなつもりになってもよいでしょう。

途端に、身体は「重い」状態となり、持ち上げることが不可能となります。

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道場案内

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詳しくは大坪英臣道場長著『心を使う 右脳の空手』(風雲舎)』

クラス 一般男女
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