お互いに立って向かい合い握手をするように手を伸ばし、握らずに手のひら同士を軽く合わせ、どちらかが相手を自在に動かす練習について前回話をしました。
大事な学びは、相手と協調することが重要だということです。ともに動いているという感覚が重要です。手のひら同士はくっついていて一つになっていますか？この意識だけで状況は大きく変化するのです。
相手を動かそうと意識するとうまくいきません。動かそうとする自分と動かす対象物として相手は別個の存在になるからです。命令する自分と従う相手です。無理やり命令しても従う人はいません。
前回はこの感覚のまま座り技をしてもらいました。両手首を強く握る相手を崩しました。
実は優しい手が理解でき、座り技で崩せるようになるレベルになると多くのことができるようになります。
立ってしっかり構えている相手の身体に触れるだけで、相手を崩すことができます。
相手の肩口に触れるだけで、相手はひざから崩れ落ちます。触る場所は、胸でも、上腕でも同じく崩れます。相手が強く頑張っていても関係ありません。
コツは？ 自分の手のひらと相手の触れている部分が一緒に動く意識を持つだけです。
もう一つの例を示しましょう。
相手に立って構えてもらいますが、腕をL字に曲げて前腕を水平に構えてもらいます。しっかりと全力で構えてもらいます。前からこの前腕に触れて相手を崩します。
うまくいけば、相手は膝から力が抜けて崩れます。こちらに少しでも力が入ると相手はびくともともしません。相手に自分の体重をかける姿勢になりがちですが、これも不可です。力学的に有利な姿勢を本能的に取りがちですが、衝突を生むだけです。
共に動く意識で優しく触れるだけです。崩す方も崩される方も楽しくなります。
可能性が広がります。