道場生のために書きました。
どの型も重い身体で動くことが重要です。特にナイファンチンは重い身体であることが強調されます。
ナイファンチンのすべての段階で重さのテストをします。誰かに後ろから腰を抱えてもち上げてもらい持ち上がらないことを確かめます。
重さを一点に集中することを試しましょう。重さを踵にかけます。あるいは胸に重さを集めます。これを繰り返すことで足と胸を繋げる感覚が出てきます。
ナイファンチンでは両足の外側が平行を保ちます。
運足では仙骨を立てないといけません。足をクロスさせたときに仙骨を立てていることが必要です。 仙骨に手の甲を当てて前後に揺らして、仙骨の落ち着きどころを探ってみてください。
両引手を腰に当て、足をクロスさせ、運足してゆっくりナイファンチン立ちをする練習をします。仙骨が立っていることを確かめます。
注意すべき点はお腹から力を抜くことです。
ナイファンチン立ちはそれのみで入り込むことができます。立っている相手の前で右足をゆっくりと下してナイファンチン立ちになり、指で相手の襟をつかんで崩すことができます。
時々本部朝基のナイファンチン立ちの写真を見ることを勧めます。足幅が広く両膝は両足の外まで広がっているように見えます。上体はこの下半身に完全に乗り切っています。
手刀打ちは肩甲骨を寄せて行います。肩を上げない軌道での手刀打ちを行います。両手を重ねてナイファンチン立ちをして手刀打ちをします。手刀打ちをする手の反対の手の引手が手刀打ちの鋭さを決めます。居合抜きで鞘を持つ手の動かし方が重要であることと共通します。
肘当ては、肩甲骨を前に寄せることでおこないます。
引き手の肩の動きを逆になぞるように、最短距離で脇の下に突きを入れるように肘当てを行います。肘当ては体側に拳をつけている時間を長くし、身体の回転と共に動かします。このとき後ろの脚の膝を伸ばさないままにしておきます。
背中と腕で作るエネルギーの輪を意識して中心軸周りに回します。肘は低い位置に保ったまま、肘は張らないで中心の近くに相対的に固定しておきます。この肘当ては相手の身体から離れていても、追い突きをした相手は肘当てが直接身体に入ったような感覚を覚え軽く触れられて崩れます。常に身体全体が自然体に保たれていることを意識して肘当てをします。
下段払いは移動方向に行います。型通りに下で止めて上に跳ね上げないことです。下段払いから次の横突きはイチ、ニィと行い、下段払いをしつかり一呼吸取ります。
横突き(鉤突き)は反対の拳の動きを借りて作ります。下段払いをした反対の拳を少し前に出してから体側に沿って引手を行う勢いを利用して横突きを行います。この時の肘の位置はサンチンの肘の位置と同じです。確認してください。
腕受け、腕受け下段払い、裏拳打ちは体側の内側で行います。腕受け下段払いの下段払いの腕がきちんと伸ばします。
裏拳打ちは反対の拳を脇下を引きながら打つことで強さを出します。
すくい足は膝から下を使うのではなく内転筋を使って行います。太ももを前蹴りの高さに上げ、膝は身体の中心に持ってきます。
すくい足の後の腕受けは移動線上の目標に合わせます。
二番目のすくい足の後の外受けはキチンと移動線上の目標に身体を向けます。ナイファンチン立ちを崩してはいけません。
垂直線と水平線を保持して、腕受け、外受けをおこないます。身体の芯が傾きやすいので注意が必要です。頭の高さを一定に保つことが重要です。
すくい足は難しいのですが、すくい足の検証としては、すくい足で相手を崩す方法があります。
仙骨を立て進行方向(左側)に向き、左膝をお腹まで引き上げて、前に立つ相手の太ももに重心を移します。相手が後ろに崩れれば成功です。コツは、足の蹴りは内転筋を十分動かすことです。
諸手突きは腕一本の高さの差があります。下の腕の肘の位置はサンチンと同じ位置です。諸手突きの後に確認してください。
肘当て、取手はイチ、ニィのリズムで明確に行うことが必要です。時々取手が消えてしまうことがあります。
以上がナイファンチンの主な注意点ですが、以前に述べて直方体をイメージして動くと軸が保たれ、顔の向き・身体の向きが正確になります。
最初はナイファンチンが勇壮な型に見えて、筋力を使って動き体軸もゆがみがちになります。早い動きでも内面はサンチンを型をやるようにナイファンチンを行うと無駄な力みを消すことができます。