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タイミングの早さはスピードの速さではカバーできない

誰もが最初のうち勘違いすることがあります。再度取り上げたいと思います。非接触の場合の「入り込み」の方法です。

「入り込み」の原理は繰り返し述べてきました。突きなどの相手の攻撃は無意識の動きで始まります。その後しばらくたってから脳がその動きをしろと指令を出します。動き始めから約0.5秒の遅れがあって脳の指令が出ます。0.2秒ともいわれています。

この0.5秒の間は脳は何をしようとしているか理解していない空白の時間です。

この空白の時間に相手に何らかの刺激を与えると、その刺激(ちょっかい)に脳は対応できない身体がフリーズ状態となります。

刺激は相手の正中線などへの仮想の攻撃などが効果があります。実際に攻撃しませんが、拳を出すなどです。このとき力をこめてはいけないことは述べてきました。「気」による刺激でないと効力がないからです。力みは自分の筋肉は緊張しますが、外に気は出ていきません。

気が出ていれば、指一本の動きでよいのです。人差し指を出されて相手は崩れるようになります。

さて本題です。刺激は脳の空白時間に与えられなければ、効力がありません。

早すぎても、遅すぎても相手の脳は正常でこちらの動きに正しく反応できるのです。刺激としての拳は出てくるが、当てるつもりはないことがわかります。あるいはこちらの動きが正確に認識できるので必要なら更なる攻撃を行ったり、避けることもできます。

崩れる現象の起こる大脳機能の低下は起こりません。

大事なのはどのタイミングで刺激を与えるかです。勝負は0.5秒です。

多くはこのタイミングに遅れてしまいます。攻撃の初動をとらえられないからです。初動は相手の正中線の小さな変化に現れます。

その後に突きや蹴りが出てきます。初心のうちは、この大きな動きしか見えないのでこれに合わせて刺激を与えようとします。大きな動きは脳が指令を出した動きなので、すでに脳の空白時間は終了しています。賞味期限は過ぎているのです。相手の突きに対して受ける腕がぶつかる衝突が起こりますが、相手は崩れません。

「遅い!」と先輩に言われます。

最初は多くは腕受けなどをスピードを上げます。速く腕を動かすのです。動き始めのタイミングを変えずに、動きのスピードを速くしても何ら改善にはなりません。動き始めのタイミングを早くして相手の脳の空白時間に間に合わせなければ意味がないのです。

慣れてくると相手の正中線の小さな変化は感じられて適切なタイミングで刺激を与えることができるようになります。

大事な点なので再度取り上げてみました。

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