麻山館長は相手の組手の動きは非常に遅く感じると言います。スローモーションだとも言います。相手が世界チャンピオンクラスでも同じだと言います。
館長に相手をしてもらい、向き合っ手攻撃を仕掛けた瞬間に何が何だかわからずに倒されていることがしばしばあります。その後で館長はこのような動きを内部でしていたと動いて示されることがあります。
数多くの突きや蹴りが目でも追えないほどの速さで繰り出されています。実際は相手と向き合ったまま館長は動いていません。イメージで技が繰り出されています。動きの説明の何倍もの速さで内部は動いているはずです。
「型稽古は何をもたらすのか?」で説明したように、内面では身体の技と同じ動きをもたらす神経回路に神経インパルスが瞬時に流れているのだと思います。館長が技をイメージした瞬間に神経回路は活性化して相手には実際の技をかけられたのと同じ効果をもたらしていると思われます。
通常では、型稽古の結果、一度にイメージで出てくる技は腕受けや膝蹴り等の一つ二つです。
館長の常軌を逸した型稽古の積み重ねで、一度に出る技の数、自在性、スピードは極端に増していると思います。動きの説明を見ても十を超える技が非常に早く連続しています。
実際に内面では、説明の動きをはるかに超えた速さで神経回路が動いていると想像できます。内面の動きは肉体の拘束はありませんから。
動きの説明の後。館長は笑いながら、「北斗の拳の百裂拳ですね」と言います。ケンシロウの「百烈拳」は3秒間に50発だそうですが、麻山館長は相手と向き合った状態である種の「百裂拳」を放っているのです。
向き合ったまま何が何だかわからずに崩されるのは当たり前だと思います。