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自分の身体に対する理解:どこから腕?

自分の腕の第一関節はどこでしょうか?

鎖骨の内側の先端の胸鎖関節と知ってびっくりしました。さらに背中側には肩甲骨も腕の一部なのです。腕はふわりと胸郭の上にかぶさっていると考えるべきなのです。

このように腕構造を正しく捉えると、何か変わるのでしょうか?

自分の経験を踏まえて、五十肩で苦しんでいた人が腕の構造を正しくイメージして動かしたとき、楽に動かせるのはもちろん痛みが大幅に軽減することを感じたりします。肩から先が腕であるという誤った考えが腕の動きを拘束し、長い間に痛みを引き起こしていたことがわかります。腕は単なる一例ですが、私たちは身体全体にわたって、誤ったイメージを持っていることが多く、これが運動を阻害したり、障害をもたらすことを知りませんでした。

道場生の一人で約300人の生徒にダンスを教えている先生がいます。私が空手の自然体と作る指導をしているとき、股関節の作り方や足首の関節の意識を教えますが、その効果に驚き、彼はそのことの意味を探りたいと情報を集めていて、「ボディ・マッピング」という考えに出合いました。それを私に教えてくれました。

話を聞いたとき、単なる知識が増えるのだと思っていましたが、とんでもないことがわかってきました。

腕の構造を鎖骨の先や肩甲骨と一体としてとらえると空手の動きが大きく変わってきたのです。腕を使う基本稽古には、正拳突き、上げ受け、外受け、下段払い、手刀受けなどがあります。名前の通り「基本」稽古ですから、稽古の初めに必ず行います。正しいイメージをもってもらって基本稽古を行った道場生は滑らかな動き、正しく大きな動き、気持ち良い動き、疲れない動きに変わったことに一様にびっくりします。「汗をかきません。」、「背中が痛くなりません。」とも言います。

ミットをもって構えてもらい、正拳突きをします。従来通りに肩から先の腕で打ちます。その後に理解を正して鎖骨の先端からと肩甲骨の下角までを一体とした腕で突きます。ミットを構えていた人の衝撃は大きく違います。リラックスして打てば打つほど与える衝撃は内部を貫通していきます。上手になるとミットを持った人を後ろに尻もちをつかせることができます。これが求めていた突きではないかと思えます。

サンチンの両構えをします。私も含め年をとると、両構えの開く角度は狭くなります。腕が固くなるので仕方がないと思っていました。腕を正しく大きくイメージしたとたんに両構えが大きく広がりました。力を入れて頑張る必要がありません。今までは何だったんだろうか、が正直な気持ちです。

今回は腕に関する正しいイメージの一部について書きましたが、次回以降は下肢、バランスの取れた立ち方、歩き方について書きたいと思います。(実は腕が胸郭の上にどのように乗っているのかは大事なイメージです。別な機会に触れることにしましょう。)

例えば、腰とはどこでしょうか?、骨盤は下半身?それとも上半身? 皆さんはどう思いますか?それが空手を含む運動とどう関係があるの?

参考文献も次回お知らせいたします。

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真義館 総本部直轄 東京道場は、武術・活人空手専門の道場です。
詳しくは大坪英臣道場長著『心を使う 右脳の空手』(風雲舎)』

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